横浜市立の小学校へ、こころ(EI=Emotional Intelligence 感情的知性)の授業に行ってきました!
5~6時間目の授業前には、なんと給食をご馳走になり、数十年ぶりの給食を頂くことに。子供用の小さい机と椅子に座り、給食をモグモグ食べると、記憶が、子ども時代に一気に引き戻されました。

担任の先生からは、心の専門家の先生が来るよと事前に伝えて頂いていた様子。
5時間目が始まる前の休み時間に教室に入って、ワークシートを配ろうとしたら「手伝いましょうか?」と数名の男子が駆け寄ってきて、手伝ってくれ嬉しかったです。
さらに子供たちが「ねえねえ今日、心の王国についてやるんでしょ?」とか「私すごく楽しみにしてたんだ~」と笑顔であちこちから声をかけてくれ、そのかわいらしい様子にキュンとして、私もいっきに緊張がほどけました。^^
いつもとは違う先生に「なんだ、なんだ?」みたいな興味津々の顔で、こちらを見つめる子ども達。
まず「周りの人を見て、どうしたらいいかな?」と考えるのは道徳でも勉強しているので、今日はそれとは違い「自分の中をどうやって見ていくのか?」「色々な自分とどう付き合ったらいいのか」を一緒にやっていくよ~、と伝えました。
20年間、多くの人の相談を受けてきましたが
「自分の心をどうやって捉えたらいいか?」
「色々な自分とどう付き合ったらいいか?」
は、大人でもわからず、戸惑うことです。
そしてこれが出来ないと、自分がよくわからないし、自分を好きにもなれません。
だからこそ子ども時代に体得できると、その後の人生がすごくラクになります。
EI教育(Emotional Intelligence=感情的知性)が進んでいる英国でも、このような感情をメタ認知して言語化していく方法を小学校の授業で教えています。
なぜなら、これが「自分自身を受け止めていく土台」になるからです。
子ども達には「これが出来る様になると、自分がもっと好きになったり、ありのままの自分でいいんだと思えて、もっと自信が湧いてくるんだよ」ということを伝えました。
ただ「知識として知るだけ」では、大人も子どももすぐ忘れてしまいます。
そのため今回、説明は出来る限り最小限に。
子ども達がその場で実際にプロセスを体験していく事に重きを置き、5時間目、6時間目を使って、自分で書き出す→グループでシェア→全体シェアを繰り返しました。
真面目にやるより、楽しい方がぜったい頭に入るので、時にグループでのおしゃべりあり、笑いありで楽しく進めていきます。

慣れてくると、子ども達は、自分の中にいる色々な国民(自分)もどんどん見つけ出せるようになって、国民を絵付きで描いてくれる子も。

いつも思うのですが、子どもは「自分と向き合う」という点で、やり方さえ知れば、大人よりスムーズだなと感じます。素直で、頭でこねくりまわさないからかもしれません。
そして最後は、自分の中で一番扱いづらい「嫌いな国民(自分)」に対して、それぞれが言葉を選んだり、作ったりして、その国民とコミュニケーションしていきます。
言葉を伝える前の様子と、伝えた後の国民の変化を、絵に書いてくれる子も!
(伝えた後がいい顔になっててよかった!)

全員のワークシートを回収してみてみると、予想以上のこどもたちが、嫌いな自分と対話して受け入れるプロセスができていて、大人にやった時と比べても、同等か、もっと上手かもしれないレベル。
それをすることで「少しすっきりした」「ほっとした」と感想を書いてくれている文字を見て、私も嬉しかったです。
「どんな自分も受け入れよう」「自分を大切にしよう」だけ言っても「でも、一体どうやって・・??」となるのが普通です。
ただ、こうやって一段一段、階段を上るように伝えていけば、柔らかい心を持つ子どもは、あっという間にやり方を覚えていきます。
こどもだからわからないだろう・・と、こどもの限界を勝手に決めるのは大人。
限界を決めなければ、そして、こどもが分かるように教えれば、こどもは理解できます。
EI教育の進んでいる海外で、小学生でも授業で理解できているものが、日本だけできないはずがありませんよね。感情的知性(EI)は子供時代から育てられるものです。
世界の研究から「感情をメタ認知して言語化する」ことで、子どもの神経系が穏やかになる事はわかっています。
ただそのやり方を知ったらといって、永遠にできるわけではなく、これもまた練習です。
そこでICTをうまく使い、タブレットで毎朝30秒~1分のこころ王国チェックフォームで自分の感情をメタ認知し、自分に声をかける練習をして定着させていきます。
こどもの自尊心や自己肯定感という目に見えない視点にアンテナを立てて、こうやって実際に動いていく学校は、意識の高い素晴らしい小学校だなと思います。
毎日ほんの短い時間でも、自分の内側に意識を向け、行動してみる事が、今後、子ども達の自己肯定感や自尊心にどんな変化を及ぼすのか?
楽しみに見守っていきたいと思います。(^^)
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